ブラジャーを無理に外させるな

先日のメルマガで、
正しければ何を言ってもいいわけじゃない。

という話をしました。

久々にこのメルマガは
多くの共感を得たようで、(*^^)v
感想をくださった方が何人もあります。(#^^#)

ありがとうございます。

正しいことは、
時によって悪となり得る。

ということなんですよね~。

今日は、その続編です。
別のたとえで話をしましょう。(#^^#)

ちょいと昔の話でが、
こっちのほうが、
先日の話よりは最近です。(笑)

私が出張着付けの仕事をしていたころの話です。

当時は仕事として着付けをしていましたけれど、
ブライダルの仕事が激減した2020年に、
やめました。



ところで、ご存じでしたか?

マーケティングを学び始めた私に、
最初に好結果をもたらしたのは、

実は書道教室ではなくて、
出張着付けの仕事だったんですよ。(笑)

マーケティングを学んだ着付け師としての私は、
一体どうだったのか?

・・・興味がありますか?(笑)

だったら、
着物に興味がないあなたも
ぜひ続きをお読みください。(*^^)v

私は他の着付け師と比べて圧倒的に高評価が多く、
リピート率も抜群でした。(^^♪

マーケティングを学んだからです。

しかし、
高く評価していただけたのは、
やはり受注件数の多かったことも一因ですよ。

仕事量が多ければ多いほど、
仕事をしながらそれが練習になるので、
技術が向上しますもんね。(^^♪

その結果、
評価も上がる。

という好循環でした。

さて、
ではなぜ、私はその好循環に乗れたのか?

技術が高かったのももちろんですが、(*^^)v
それだけではありません。(笑)

マーケティングの師匠が教えてくれたあることを
忠実に行っていたからです。\(^o^)/

その1:お客さんの心の声を聴け

若いお客さんの場合、
特にトラブルの原因になるのは、
着付け師がムリにブラジャーを外させることなんですよ。

着付け教室では、
ブラを外せと教えられます。
着物は立体的な身体を極力平面的にしてこそ、
美しく仕上がるからです。

そして、
上から帯を締めますから、
金具やワイヤーが当たって痛くなる。
ということも起こりうるわけで、
それを防ぐ点でも
外した方が良い。

ということは、一面では正解です。

でも、
若い人にとっては、
ブラジャーを外して人前にいる。

という事実だけで、
ものすごい抵抗感がある人も多いわけです。

たとえ、
その上から襦袢、
着物、さらには帯まで締めて、
完全武装していることは理解できても、です。

感性として、
「ブラジャーを外している」という事実だけで、
不安になる人が多いんです。

理屈と感情はベツモノですから。(#^^#)

それを無視して、
どういうわけでブラを外したほうが良いのかを
こんこんと諭して、
外させてしまう着付け師が多いことが、
最初の間違えですね。(笑)

着付け教室と出張着付けの根本的違い

着付け師が冠婚葬祭の場で
着物をお着せすることは、

着付け教室で着物の着方を教えるのとは
目的が全く違います。

ついつい着付け師は、
自分が習った着付け教室での教育を
そのままお客さんに向けてやってしまいがちです。

でも、
お客さんは、
式に列席するために着物を着せてもらうだけであって、

決して
正しい着物の着方を習いたいわけではないんです。

単に美しく着せてもらえて、
快適に過ごせたらOKなだけなんです。

「快適」には、もちろん、
身体的にラクであることも含まれますが、

それ以上に、
気持ちとして快適かどうか。

ということも大いに関係します。

お客さんが「イヤだな」と思うことを
強制してしまってはダメなんですよね。

「説得して、納得してもらったうえで
ブラを外させた。」
なんて言う着付け師もいますが、

お客さんは決して、
その場のほんの少しの説得で
納得なんかしていません。

「着付け師がつべこべ言うから、
仕方なく外した。」
というのが、お客さんの正直な気持ちです。

それが証拠に、
私が振袖を着せる時には、
お客さんからよく聞かされました。

以前に着せてもらった着付け師の
無理やりブラをはぎ取られた苦々しい経験を。

おそらくその着付け師は、
こっちのほうがあなたのためだと、
説明したに違いありません。

それに実際に外したのは
お客さん自らの手で外したにきまっています。

でも、
お客さん側からすれば、
「無理やりはぎとられた」
という体験談に変化しちゃうわけですよ。(^^♪

これは一体どういうことか?

つまり、
いくら正しいことでも、
この場合は正しくないんです。

着付け師側の正しさと、
お客さん側の正しさは違います。

「説得」は、
なんの意味もありません。

「説得」して相手が自分の意見に
心底「納得」できるかと言ったら、
決してそんなことはありません。

だって、
イヤなものはイヤなんですもん。

理屈がどうでも、
その理屈が正しくても、

イヤなことはイヤだ!

という気持ちを分かってあげないと
結局は不満が残ります。

結果として、
あの着付け師は嫌いだ!

という印象が残ってしまうので、
ちょっとした不具合が過大評価され、
クレームにつながるんですよね~。(^^;

では、私はどうしていたのか?

そもそも肌襦袢を着ておられる時点で
ブラをしている人に向かって

「ブラは外しましょう」なんて、
言いません。(*^^)v

ブラをしたままの状態で
美しく着せてあげる技術を
着付け師が身につけるべきなんですよ。

でもそうは言っても、
お客さんの体形によっては、
うまく着せられない場合もあります。

そんな時はどうするか?

ブラは外した方がラクだし、
美しく仕上がります。

という事実だけまず伝えた上で、
相手が素直に応じるなら感謝を述べて
着付けする。

でも、
相手がイヤそうだったら・・・?

そのまま着せてしまうに限ります!(^^♪

ブラは外した方が
・きれいに仕上がる。
・着心地がラクである。

ということは、
たとえ着付け師にとって常識であり、
正義であっても、
お客さんにとっては
それは甚だ気持ちの悪い条件にしかならないのです。

つまり、
「正義」
 ↓↓
「全く正しくない悪条件」
に変化しちゃうんですよ。

だから、
そんな時はこうしたらいいんです。

あなたの意向に従ってそのまま着せるけど、
ブラは外した方がいいんだよ。

という事実だけ、
軽く認識しておいてもらうわけです。

振袖を着せる若いお嬢さんの場合、
あるいは、
ご年輩でも細身の方の場合、

マジでブラ問題が
クレームのきっかけになりますから。(^^;

では、
実際問題、
それではうまく着せられそうにない場合、
どうしたらいいのか?

ここで、
マーケティングの師匠から習ったことが
役に立ちます。

長くなるので、
続きは「その2」にしましょうか?

次回、
その2:クレームの芽は先に封じろ
を、お楽しみに。(*^^)v